事業基盤の強化に必要なマネジメント災害対策・対応編

災害とは、⾃然現象や⼈為的な原因による脅威が社会の防災⼒を超えたときに起こる現象の総称(被害+災害対応)です。企業の事業継続能⼒を⾼めるため、予測⼒(脅威の推定)、予防⼒(被害の抑⽌)、対応⼒(被害の軽減)の視点から災害について考えます。

我が国は豊かな自然に恵まれている反面、地震、津波、噴火、暴風、豪雨、豪雪、洪水、地すべりに代表される自然災害が多発する国でもあります。そのため、いかにして災害を未然に防ぐか(防災)、被害を最小限にとどめるか(減災)、あるいは、致命的なものにせず迅速に回復させるかが重要な課題として挙げられています。

このため、企業などの組織に対しては事業継続計画(Business Continuity Plan、略称BCP)や事業継続マネジメント(Business Continuity Management、略称BCM)を求める気運が高まっています。しかしながら、事業継続活動の進め方や、有事にどのように備えれば良いか分からないと悩まれている組織が多いというのが実情です。

そこで当機構では、被災された企業のご協力のもと、被災の実態調査をまとめた被災記録を用いて、災害過程や事業再開に向けた復旧過程の実相を模擬体験し、3 つのステップを踏みながら自社の事業継続活動のあり方を学んでいく教育プログラムを開発しました。詳細は<研修>をご覧ください。その他、企業防災に関する全般的なご相談もお受けしております。

また、我が国の防災ルールづくりを牽引する津波工学の第一人者である東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授による連載『シリーズ防災を考える』を掲載しております。防災への意識向上や知見獲得など、社内でご活用ください。

研修

被災経験から学ぶ事業継続

ステップ1:被災の実相を知ること

対照的な2つの事例を模擬体験することで、事業継続活動の実相を直感的に理解します。
例えば、被災地では、個人として生活再建を行いながら勤務先企業での事業復旧活動も担うことが求められます。また、災害に対する認識と現実行動の乖離が生じます。
こうした厳しさやもどかしさを模擬体験や演習を通じて実感し、当事者意識を醸成します。

ステップ2:災害対応を理解すること

被災経験事例はあくまでも個別の事例であり、必ずしも自社の現実にそのまま適用できるとは限りません。もちろん直接参考になる部分もありますが、自社で適用できるようにするためには、被災経験事例を紐解き、その本質を理解することが必要となります。
被災は自然現象のメカニズムや企業の経済的および経営的な判断、人間の行動心理など多様な要素が複雑に絡み合っています。これを紐解くためには、先人達が積み上げてきた、さまざまな学問分野の力を借りることが必要です。
A社、B社などの具体的な個別事象について、さまざまな学問を参照軸に置き、抽象的な関係性・構造を把握し、自社の事業継続活動に応用できる知識を蓄えていきます。
また、被災の現実は理論だけでは説明できないことを学び、安易な理解を阻むことで危機意識を醸成し、想定外の事態への対応力を高める視点に気づくことを促します。

ステップ3:災害に備えること

最後にステップ3では、自社の BCP や BCM の実行性/実効性を高めるため、ステップ1とステップ2で理解したことを応用しながら“災害に備えること”に取り組みます。
特に災害状況に応じた即興的かつ臨機応変な事業復旧の実現には、理論に依拠した合理的な視点、人間の行動特性に配慮した視点、計画の事後的な創発を加味した視点など、さまざまな視点から災害対策を検討しなければなりません。災害に備えるための実践的な知恵を学びます。

> 詳しくはこちら(入門編)
> 詳しくはこちら(基礎編)

2017年度開設以降、毎回参加者から高い評価を得ております。
BCP の策定や BCM の構築にお悩みの方や、内容を充実させたい方のヒントになる研修内容です。
ぜひご利用ください。

業務相談

企業の災害対策・対応に関する全般的な支援をしております。
まずはお問い合わせください。 

シリーズ・防災を考える

東北大学災害科学国際研究所 今村教授による連載記事はこちら。